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道具を持つということ

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コラム

道具を持つということ

みなさんは、「家を建てる人=大工さん」って思っていませんか?実は、近年、木造建築を支える大工の人材不足が深刻化していて、石牧建築のように「手きざみ」の経験がある若い大工さんはほとんどいないと聞きます。日々現場に立つ大工として思うことについて思うままに綴ります。

近年、木造建築を支える大工が激減しています。
コンピュータで一律に加工するプレカット材を用いた住宅が多くなり、かつて大工に求められた部材の墨つけや手きざみといった技能・技術より、取付や組み立てをスピーディーに行うパワーが重視されるようになりました。
その結果、手きざみ等の技能・技術を持たない大工が増え、若年大工においてはそのほとんどが手きざみ経験のない者たちです。

また、旧来の大工技術を必要としないパワー重視の現場では、体力のある若いうちしか働けない状況が生まれ、将来が見いだせないとして大工を目指す若者も減少しています。
このままでは近い将来、大工の確保が困難になるのではないかと危惧するところです。



私たち職人の技術は、経験や実績によって培われるものですが、だからと言って歳を重ねるほどにおのずと技術が上がるというものではありません。
スポーツ選手が現役を続けるためトレーニングを怠らないように、常に仕事の腕を保つためには、道具を持ち、道具を使う努力をし続けなければならないのです。
そうした努力を続けても、現場での仕事は、気力、体力が充実している若い時の方がいい仕事が出来るように思います。



反対に経験値が求められる場合もあります。
現場の段取りや仕事量をコントロールする力、木材を適材適所に使うための木組みや木取りなど加工場での仕事、木材仕入れの目利きなどは、現場仕事を通して得られた多くの経験がものをいう仕事といえます。
 
多くの経験を通し、技能と技術を身につけ、それらを次の世代に継承することが、今、必要なのではないかと考えます。




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コラム筆者 | 代表 石牧