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"技術"-TECHNIQUE のハナシ③ ~大工のワザはどこに宿るのか~

SPECIAL

"技術"-TECHNIQUE のハナシ③ ~大工のワザはどこに宿るのか~

技術のハナシ(TECHNIQUE)
part:3 ~大工のワザはどこに宿るのか~


石牧建築が真っ当な家づくりを行う上で、重要視している 
"素材"-MATERIAL・"設計"-PLANNING・"技術"-TECHNIQUE

完全自由設計をモットーに家づくりを行う私達チームの家づくりは、暮らし方や住まい手さんの性格に合わせて
様々なカタチになっていきます。
新しく家づくりをお考えの皆様に、石牧建築が標準装備としている仕様だったり、繰り返し行っている施工方法といった
いわば 【ISHIMAKI KENCHIKU STYLE】について紹介いたします。

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私達石牧建築は設計を担当するしましま設計室のメンバーと、施工を担当する大工チームと
大きく2つに分類されていました。
2025年の4月からは販売部門としてイワクラタナカが開設されたので、今では3部門も持つ新進気鋭の企業なのです!
と、いうのは少し大げさですが、木を使ったモノづくりを主軸として色々な業界に対して挑戦していきたいと考えています。

そんな3部門の中から社長石牧が中心を担っている大工チームに焦点を当てたいと思います。




大工・・・木造建造物の建築・修理を職業とする人。家や大工・宮大工・船大工など。(広辞苑より)

もともと、大工という言葉は工事を取りまとめるリーダーを指し示す言葉だったという説もあります。
家づくりという人々の暮らしをカタチ作る行為を遂行し、引っ張っていく存在が大工であるという解釈になります。
イマはそのような存在を棟梁と呼びます。石牧建築でいう石牧のことですね。

また昔は一般の大工さん(木を扱う者)を右官さん、土を扱う者を左官さんと呼んだようです。
左官屋さんという言葉は現代にも残っています。
調べていくとなかなか面白いですね。

さて、話が横道にそれましたが元に戻しましょう。
つまるところ、大工さんの力量が家づくりのクオリティを決める。
と言っても過言ではないということです。

最近の家づくりは温熱や耐震、気密に音環境、さらに電磁波やシックハウスなど
様々な要因を考慮して快適な家を建てることが求められています。
このような高性能な住まいは、建築家さんや設計士さんのノウハウによってプランされ
設計管理の末に完成している。というイメージが一般的なのではと思います。
勿論、それは紛れもない事実です。
ただ、設計という職務はいつから生まれたのでしょうか。


沢山のものを生み出し消費する世の中では、業務の回転速度が重要になります。
そのため、分業化することでスピードをあげているのです。
きっと、時間がたっぷりとあるのなら大工さんは自分で考えて自分で家を建てていきます。
意匠性、という言葉は匠が意図して作り出した結果=用の美、機の美を表しています。
大工は考えられないのではなく、設計に背中を預けてモノづくりに集中しているのです。

その結果、建てられる家のクオリティがより良くなる。
モノづくりを行うチームとして良い循環になります。

設計が家主となる方の想いや憧れ、悩みを汲み取りアイデアで暮らしの質を高めて
大工が図面とプランを基に、よりよい家を形作ります。

石牧建築の大工チームは
構造材の手刻み加工から始まり、以下のような工程すべてをまっとうします。
・構造材の手刻み
・建前、上棟工事
・耐力壁、構造金物の施工
・壁および天井下地、根太や床組施工 工事
・気密処理、防水処置
・WURTH等の、透湿防水シートやルーフィングなどの敷設
・断熱材の施工
・太陽光パネルの取り付け、集熱システム(ISソーラー)の施工
・プラスターボードの施工
・サッシ、玄関ドアの取付施工
・窓枠や建具枠をはじめとした造作材の加工
・床板や外壁などの板張り工事
・作り付け家具、テーブル、造作キッチンの製作
・ウッドデッキ、板塀の施工
・木材の塗装、鉋などによる仕上げ工事
etc...


先述した木を扱う工事だけでなく、性能をつかさどる
細かな処理まで責任をもって行っています。
会社として所属している、JBNさんや木の家ネットワークさんらをはじめ
業界の先端スキルを取り入れて社内で揉んでから、大工チームの手として取り入れる。
私たちの天竜材の流通ルートさながらの最短距離で現場をアップデートしています。



また、現代では分業化により上記の一部のみを担当する大工さんが増えてきていますが
石牧建築の大工チームは全てを大工が担当しています。
そのため、家主さんとも工事中に複数回お会いして仲良くさせて頂いています。
地鎮祭や上棟式(昼食会),現場での打ち合わせなど。文字通り顔の見える関係性です。

家主さんにとって安心なだけでなく、大工にとっても家主さんの顔が見えることは良いことです。
自分たちが頑張った仕事が誰の為で、どんな風に喜んでもらえるか考えながらモノを作ると
より良いモノができるはずですよね。
家主さんの人柄やファッションを参考にして、造作の樹種や見せ方を決めることも良くあります。
一生に一度の家づくりをご一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

1~10まで一貫した自社施工と、顔の見える関係性は
良い緊張感も生み出します。
最終的には見えなくなってしまう壁の中や、金物の納め方に始まり
造作家具の見栄えやクオリティ、材料の木目の見せ方や端部の納め方まで。
より良い家になるように毎日の仕事を完了させていきます。

大工のワザがすべての仕上がりに宿っていき、真っ当な家づくりと呼べると考えています。
そして、家主さんも結果だけでなく過程にも満足して頂けると思います。

さらに、この関係性は将来の点検やメンテナンスに伺う日まで続いていきます。
図面や議事録には残らないような細かな箇所まで網羅した、住まいの管理ができる他
家づくりを共にした関係性だからこその付き合い方が出来ます。

長寿命化している現代の木造住宅を
大工とともに永く愉しんでいただければ幸いです。
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written by :浅野太智 (石牧建築 しましま設計室)