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漆、塗りました

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遠州に暮らす:手刻み大工と設計部の日常

漆、塗りました
久しぶりのブログ更新です。
石牧建築は今、もしかしたらこの一年間で一番忙しい日々を送っているかもしれません。
新築工事2軒と店舗の内装工事に加え、来週上棟をする新しい物件の刻みもあり、
文字通りスタッフ総出で作業にあたっています。

昨日は普段は事務所からあまり出ることのない私も、
猫の手よりマシと言えないまでも、猫の手くらいにはなるかも・・・と、漆塗りに参加。
住宅に吹き漆を取り入れるのは石牧建築のカラーになっています。

石牧建築で一番多く漆を塗ってきた“漆マイスター”の佐原の指導を受け、
比較的簡単な部材への漆塗りをしてまいりました。





かぶれやすい体質の最年長を気遣い、マイスター自らすべて準備をしてくれるという上げ膳据え膳スタイル。



ヘラを使い、薄く均一に塗り伸ばし、布で余分な漆を拭き取る。
簡単なようで、やってみると想像以上に大変でした。

漆は空気中の酸素と湿度で硬化する性質があるため、陽の当たる時間帯は比較的楽にできたのですが、
夕方、気温が下がり湿度が高くなるにつれ、漆の硬化スピードもアップ。
硬くなった漆を拭き取る作業はまさに肉体労働でした。
ちなみに春野工場は山のほとんど頂にあるため、日が傾くのが平地より早いんです。

かぶれ予防であらゆるものを二重、三重にしていたため途中の写真はなく、
作業を終えた後は疲労感で写真を撮り忘れてしまいましたが、
一回塗り、二回塗り、三回塗り、と塗り重ねるごとに艶やかでしっとりと上品な風合いになっていきます。

この漆塗りは、コロナ禍以前はワークショップを開催して、実際に体験していただくこともありました。
かぶれ対策を万全にして臨めば痒くなることもないし、没頭して無心になれる作業です。
塗る前と後とでは見た目の質感がまったく違っていくのも楽しみ。
また以前のように皆さんに体験していただける日が訪れますように。


みやづ