
昔の宮大工の言葉で
穴掘り3年、鋸5年、墨かけ8年、研ぎ一生
なんて言葉があります。
そんな大工5年目の僕は絶賛墨かけ中です。
先人の言葉は昔の話と考えて、木構造による法律が変わればその都度対応し応用していく訳ですから墨かけ8年と言わず一生突き詰める必要があると僕は思っています。
そんな墨かけは今回で4件目ですが
隅木と谷木、夫婦梁、キャンチ梁など
お家の躯体其々特徴があり、墨かけの段階で
どう納めて墨付けするかなどが楽しいです。
そして今回の躯体の楽しみは太鼓梁になります。
太鼓梁の何が楽しみか簡単に説明すると、
太鼓梁に矢羽根加工を施し漆を塗る。
僕からすれば究極のデザートになります。
野物の造形…ハツリ加工…凹凸の上に漆塗り…
計り知れないロマンが詰まっています。
何本か野物を出しては荒削りして、他の予定など大幅にロスしたものの良さそうな太鼓梁が出てきました。
木の捩れなど一気に削ぎ落としたい時は鉞や釿を使い、今回は削る量が多いので時間がかかる八角の太鼓梁にしました。太鼓梁にしてはスッキリする印象なので個人的には好きな形です。
写真の状態は荒削りの状態なので
ここから仕口の加工をして、漆を塗るので腹と背中は鉋で仕上げて側は矢羽根の加工をします。
時間がある限り手をかけたいと思っています。
夜な夜な矢羽根加工用の道具を仕込み試す日々。
失敗して改良しての繰り返し。
余計な固定概念は捨てて仕込みは我流なので
使う道具本来の用途ではありませんが
思い描いている状態に仕上がるように頑張ります。
goda